ジョナス・メカスによる365日映画、11月22日、326日目。
Day 326: Jonas Mekas
Thursday, November 22nd, 2007
2:37 min.
thanksgiving
sequence from
Hallelujah the Hills
a film by
Adolfas Mekas
アドルファス・メカスの映画
『ハレルヤ・ザ・ヒルズ』
から感謝祭の場面を
感謝祭を祝う食事の席で、恋の鞘当てをする二人の男の内心を現実にはありえない突飛な行動によって表現する場面。この場面にはチャップリン風のスラップスティック・コメディー(ドタバタ喜劇)のタッチが強く感じられる。二人の男のうちの一人を演じるのは後に世界的なダイアリスト(Diarist)として有名になるピーター・ビアード(Peter Beard, 1938-)。またこの映画には後にアンダーグラウンド映画の一流スター、ニューヨークのイコンと言われるまでになるテイラー・ミード(Taylor Mead, 1924-)も出演している。
食事の場面が終り、アクシデント(編集ミス)のように、この映画の一場面の雪景色の映像が一瞬映る。
アドルファス・メカス(Adolfas Mekas, 1925-)は兄ジョナス・メカスと共に故国リトアニアから1949年に合衆国に移住した。60年代にはこの『ハレルヤ・ザ・ヒルズ』(Hallelujah the Hills, 1963)をはじめ、単独で、あるいは兄ジョナスとともに、かなりの数の映画を撮っているが、71年からは少数精鋭のユニークなリベラル・アーツ教育で知られるニューヨークの私立バード大学(Bard College)に新設された映画学部の教壇に立ち2004年まで教えた。ちなみに、このバード大学は合衆国内では最も左翼的、最もリベラルな大学として知られ、40年代にはハンナ・アーレント(Hannah Arendt, 1906-1975)を始め多くの亡命知識人を受け入れたことでも知られる。