ジョナス・メカスによる365日映画、12月6日、340日目。
Day 340: Jonas Mekas
Thursday, December 6th, 2007
9:03 min.
Oona bravely faces
attackers......
all about Los Angeles.
America and India --
and why we should
never cut down
oak trees --
ウナは勇敢にも
攻撃者たちに敢然と立ち向かう。
ロサンジェルスのすべて。
アメリカとインド、
そしてわれわれはなぜ樫の木を
伐採してはならないか、
を巡って。
誰だろう?かなり高齢のカップル、母方のおじいちゃんとおばあちゃんだろうか、と若い男性の三人がウナと議論している。おじいちゃんが「カリフォルニアの精神性」について厳しく問い質している。白熱した議論の途中である。(明らかに英語は母語ではない。もしかしたらメカスと同じリトアニアからの移民の知り合いかもしれない。)とは言え、もちろん、基本的に相手を信頼した上での「議論」である。でも議論という土俵の上ではお互いに容赦しないという迫力が伝わってくる。おそらく、すでにウナが生活の一つの拠点をおいているロサンジェルス、そしてロスを含めたカリフォルニアについて持論を展開したのだろう。それに承服しかねた「おじいちゃん」がウナに詰問している場面のように受け取れる。「カリフォルニアの精神性って一体なんだ?」というわけだ。ところがウナは逆に質問する。「メンタリティっていうけど、正確に言って何のこと?」「カリフォルニアのことだ」「もっと限定してよ。カリフォルニアってだけじゃ、ナンセンス(bullshit)よ」「カリフォルニア全体がナンセンス(bullshit)なんだよ」「だめ、だめ、ちゃんと説明してよ」
ウナはインドに行ったときの異文化体験を持ち出し、ある意味ではカリフォルニアも異文化であると主張するが、おじいちゃんは、それは違う話だと反論する。インドには官能的で霊的な(spiritual)世界があるが、カリフォルニアにはない、というわけだ。インドでは、リトアニアでも、樫の木を敬う言葉で表現できない深い感覚があるが、カリフォルニアにはそういうものはない、と。ウナのカリフォルニア擁護論の本旨が見えないが、とにかくおじいちゃんは「反カリフォルニア」(against California)一辺倒で、ウナの言葉にことごとく異論を唱え、カリフォルニアはブルシットだ、を繰り返す。
メカスが「何が問題なのかな?」などと笑いながら遠慮気味に口を挟むが、誰も耳を貸さない。
ところが、おばあちゃんが、突然、おじいちゃんに向かって、あなたこそナンセンスよ、と言い始めた。ウナの言っていることは明晰で、ウナはカリフォルニアで何かを感じとっていることは確かよ。そして、問題なのはこの世界で何をするかよ、と言う。そこから、議論は、何をしているかが本当の問題じゃなくて、現在していることが幸せに繋がっているかどうかが問題だという方向に流れる。どんな自分を実現したいか。皆の発言が重なって聞き取れない箇所が多い。
メカスは「何をしたら幸せになれるかな」と節をつけて歌う。ウナが笑う。「今こうしているのが幸せ」とメカス。流石。