ありふれた会話

久しぶりにUさんに会う。遠くから笑顔で声をかけられた。散歩で会うたびに風太郎をめちゃめちゃ可愛がってくれたUさん。最後に会ったのは風太郎がオムツ生活を始めて数日経った頃だった。「そうかあ...」と言ってこちらが恐縮してしまうほど悲しい表情になった。あれからもう2週間余り経つ。挨拶代わりに私はすぐに風太郎が死んだことを告げた。「えっ!」と驚きの声を上げたUさんの顔はみるみる悲しそうな表情になっていった。穏やかに逝きました。大往生でしたよ。ちょっと間があってから、Uさんは昨年18歳で死んだ顔が風太郎にそっくりだったという愛犬のこと、近所のYさんの愛犬がもう1年以上もオムツ生活であることなどをしみじみと語り、最後にポツリと言った。「年齢じゃ、ないんだよな。」 そうですね...、可愛がっていただいて、どうもありがとうございました。「楽しみがひとつ減ったよ。」