A Day in the River Side Park

ひとりの休日。正午少し過ぎた頃に、千円札一枚ジーンズのポケットに入れて家を出る。豊平川に面した川沿公園までゆっくり歩く。暑い。背中が汗ばんできた。気温は17、18℃か。数日前の雪の記憶がはるか遠くに薄れてゆく。ひどく喉が渇く。公園近くのコンビニで「屋久島縄文水」を買う。アスファルトの道が終わる。公園内の土の道をゆっくり踏みしめて歩く。花弁をオールバックにして俯いたカタクリ(片栗, Katakuri/Dogtooth violet, Erythronium japonicum)の花があちらこちらに咲いている。公園の隅っこのテーブルで一休みする。縄文杉の香りがするようなしないような水を少しずつ飲む。あ、しまった! 公園の水道水を飲めばよかった、と少し後悔する。しばらくぼーっと過ごす。立ち上がって、出口に向かってゆっくり歩く。枯れ葉が風に舞う。地面を転がってゆくものもある。自分の視野の中にジョナス・メカスの揺れる視線の記憶が蘇るのを感じる。去年のドングリの実がたくさん落ちている。

出口のそばにまだ裸のポプラ(西洋箱柳, Black poplar, Populus nigra var. italica)が聳えている。枝振りがよく分かる。見上げながら近づく。ハグする。


帰り道、色んな野鳥を見かける。アトリ(花鶏/獦子鳥, Brambling, Fringilla montifringilla)とウソ(鷽, Eurasian Bullfinch, Pyrrhula pyrrhula)は近寄っても逃げなかった。