初恋の行方

Ink-Keeper's Apprentice

Ink-Keeper's Apprentice

渋谷のハチ公前に現れなかった Reiko は、その後キヨイに対してよそよそしい態度をとり続けた。キヨイは学校へ行くのが怖くなったほどだった。そんなある日の朝礼で、突然キヨイの前に Michiko が現れる。

The Ink-Keeper's Apprentice の第14章では、急接近してきた Michiko の誘いを受け入れたキヨイが、結局彼女の家を訪れ、彼に対して過剰に好意的な家族に会うことになった経緯が詳しく語られ、その秘密が示唆される。Michiko の家は代々海軍大将を勤めた家柄だった。しかし、Michiko の兄が祖父や父のようにはなれないことを悩み自殺した。息子の自殺に衝撃を受けた母親は正気を失ったままだ。

第15章の冒頭では、その後も毎月 Michiko を家に訪ねたキヨイの「本音」が語られる。キヨイの訪問によって、大きな欠落を埋めようとするかのような家族の空気の重たさに彼は気が滅入り,緊張を強いられた。そして Michiko と Reiko それぞれへの思いが吐露される。

Michiko はいい友だちだ。僕は彼女が好きだ。Reiko のことはもう考えたくない。でも、考えてしまう。(p.106)

そして、夏休みのひと月前にキヨイにとって大きな転機となる一通の手紙が多額の小切手とともに離れて暮らす父親から届く。カリフォルニア行きの決断を迫る内容の手紙だった。


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