葛藤

Ink-Keeper's Apprentice

Ink-Keeper's Apprentice

The Ink-Keeper's Apprentice の第15章の超要約。

キヨイは父と一緒にカリフォルニアへ行くべきかこのまま日本に留まるべきか決めかねていた。アメリカへの憧れがあった。しかし、実際に先生(野呂新平)や時田(兄弟子)、そして母から遠く離れることは想像以上に辛いだろうとも思った。父に返事をする前に、仕事場でキヨイは先生に相談した。その場に居合わせた時田は敵意さえ剥き出しにして「何のためにアメリカなんかに行くんだ!」と頭から反対した。先生は、「ワンダフル。可愛い子には旅をさせろ。チャンスがあるなら、旅をしろ。旅は最も偉大な教師だ」とキヨイの背中を押す言葉を連発し、毎月、煎餅、醤油、スルメとインク(「我らがインクは世界一だ」p.110)を小包で送ってやるとまで言って、さっさと仕事に戻った。もっと親身になって相談にのってくれることを期待していたキヨイはちょっとがっかりしたが、先生は感情を表に出す人ではないから、仕方がないと思い直し、アメリカ行きを後押ししてくれる言葉をありがたく噛みしめた。時田と二人きりになったキヨイは、彼との間にできた溝を埋めようとして、いつ無茶をしでかすかわからない時田に対して、問題に巻き込まれたら、いつでも助けになることを約束する。しかし、時田の返事はつれない。「お前は自分が言ってることの意味が分かってない。自分の心配だけしてろ」(p.113)

蛇足ながら、キヨイはそのときまだ14歳。