まるで発掘現場のような


アパート解体現場では、整地用の新しい土がどんどん運び込まれている。一方では最初に取り壊された6棟が建っていた部分の整地が進み、他方では後から取り壊された3棟の土台部分の掘り起こしがほぼ終わり、それによって出た細かな廃材の仕分け作業が行われていた。新しい土の山や、掘り起こされた土台部分の穴、這いつくばって細かな廃材を仕分けしている作業員の姿からは、そこがまるで遺跡発掘現場のようにも見えてくる。排水溝の入口部分だろうか、土まみれの角筒が二つ転がっていた。




原生林ではマツに絡み付き這い上がる蔦の黄葉が目についた。管理人の苅谷さんに久しぶりに会った。昨日、トウモロコシが収穫された後の畑が耕されていたので一安心だったが、やはり本人の姿を見るまでは少し心配だった。「畑、耕したんですね?」「ああ、こうしとけば、春が楽なんだ」「腰は大丈夫ですか?」「んーん、なんとかな」「こっちは大根、そっちは白菜ですね?」「今年は大根もだめだったなあ」そう言いながらも、決して落胆はしておらず、なるようにしかならん、とい言いたげであった。「前から気になってたんですが、あれは古い井戸ですか?」「いや、焼却炉やった。最近はあそこで燃やすと、赤い車が飛んでくる、ワッハッハ」私も思わずつられて笑った。



帆足さんちのキク(菊, Garden mum or Chrysanthemum, Chrysanthemum morifolium



おっと、珍しい落とし物、、それとも、誰かが始めたブッククロッシング(Book Crossing)か?



久しぶりに牧野さんに会う。庭の隅っこでフラワーアレンジメントを作っているところだった。山本寛斎デザインのエプロンをおしゃれに着こなしていた。挨拶すると手招きされて渡したいものがあると言われた。何かと思ったら、先日差し上げた写真のお礼にと手作りの押し花ハガキのセットとコースターをいただいた。私が家の前を通りかかるのを待っていてくれたらしい。ありがたい。昨日、再び沢山の巨大な黄色の花をつけたキダチチョウセンアサガオを撮ったが、その話をすると、一旦全部の花が落ちてまた咲くことを何度か繰り返すという。庭の奥に植えてある白い花を咲かせるキダチチョウセンアサガオを紹介してくれた。牧野さんは実はそちらの方がお好きのようだった。ご自分でフィルムカメラで撮られた花や押し花やフラワーアレンジメントや愛犬の写真も見せてくださった。冬が長いからそうして楽しみを作っているのだという。デジタルカメラも持っているが、とても使いこなせないと言って、ちょっと悔しそうだった。