オウトウ(桜桃/西洋実桜, Wild Cheerry, Prunus avium)の芽
綺麗に除雪された道に面した平野さんの仕事場の前を通りかかると、赤い小さな可愛い除雪機が置かれていた。一仕事終えたばかりの雰囲気だった。道具小屋の引き戸が開けっ放しで中に人の気配がしたと思ったら、平野さんが笑顔で出てきた。小屋の中には多彩な道具類が見えた。入って見てもいいよ、と言われ、失礼して中を見せてもらい、写真も撮らせてもらった。すごいですね。色んな道具が揃ってますね。いやあ、そうでもないよ。しばし道具談義した。そして、以前から気になっていた素朴な疑問を彼にぶつけた。どうしてこんなに沢山除雪機があるんですか? 待ってました、とばかりに、平野さんはその理由について語ってくれた。なんと中古除雪機の通信販売を手がけているという。しかも倉庫兼作業場となっている家の一階も見せてくれた。なんと、なんと、所狭しとサイズの異なる除雪機が収納されているではないか。想像だにしなかった光景に我を忘れた。その後、赤い小さな可愛い除雪機を挟んで、除雪機の値段の相場や平野さん流儀の除雪機ビジネスについて話している時、筋向かいの栗の樹のあった家に住む長谷川さんがニコニコしながら、やってきた。除雪機はいいよ。年取ったら必需品だよ。ウチでは融雪機(融雪槽)を使っているんだが、灯油を食うんだ。30センチも積もったら、3時間かかって、30〜40リットルは食うんだ。雪を吹き寄せるスペースさえあれば、除雪機は燃料も食わないからサイコーだよ。そう言って、私に除雪機を薦めた。今の所、除雪機を買うつもりはないが、買うなら、そんな赤い小さな除雪機がいいなあと感じていた。名前は「雪丸」。なんといいネーミングか。ぴったりだ。普通はこのサイズで充分だよ、と長谷川さんは太鼓判を押した。その雪丸は売物ではなく、平野さんがご近所を除雪するのに使っている。案の定、私が通りかかる前まで、その雪丸で除雪をしていたという。試しに、ちょっと動かしてみせてくれた。ちなみに、中古除雪機は一番安くても10万円はするとのこと。