来日したばかりの写真家・楮佐古晶章(かじさこあきのり)さん(公式サイト「南米漂流」)に会うことができた。昨日、成田から札幌に直行したという。サンパウロからワシントン経由で30時間。さすがにやや疲れた様子だった。明日には生まれ故郷の高知へ発つ。多忙な合間を縫って会う時間をつくってくれた。サッポロ珈琲館月寒店でお茶しながら一時間ばかり雑談した。彼の写真集『minha vida』を持参してサインしてもらった。短時間ではあったが、最近のブラジル事情や私生活や仕事をめぐって色んなことを語り合った。最近撮ったという写真を十枚ほど見せてもらった。サンパウロの空気がひしひしと伝わってくる写真ばかりだった。気に入った写真をくれるという。夜の教会の前にたむろするストリート・チルドレンの写真と斜面に家が密集するサンパウロのファベーラの写真に強く惹かれた。ファベーラに話を向けた。忘れられた日本人やアジールの話に発展しかけたが、時間がなかった。彼が使い分けているというD3とD700のうちD3を触らせてもらった。シャッター音と指先に伝わる振動が鋭い快感となって体を深く貫いた。いいね。いいでしょう。これで撮ってるのか、と妙に感心した。現在進行中の企画について楽しそうに語る彼の目は輝いていた。いつかサンパウロで再会できることを願って別れた。中山さん(id:taknakayama)、その旨しっかりと伝えておきました。
- 写真家・楮佐古晶章(かじさこあきのり)の南米漂流とMinha Vida(My Life)(2008年02月09日)
- 遊んでいるだけです(2008年08月10日)
- うんこは誰のものか(2008年08月20日)
- ブラジルの遠い谺(2008年08月29日)
- 映画と写真の間(2008年09月29日)
- Minha Vida、サウダージ(2008年11月29日)
- カピバラ(2008年12月06日)
- 楮佐古さんのファベーラ取材記(2009年03月04日)
- 和紙が運ぶ「土」の記憶(2009年04月26日)
- 1本のタバコ(2009年08月31日)
- サンパウロの大停電の夜に(2009年11月11日)
- リオの水害に思う(2010年04月07日)
- 眼の奥のフィルム:写真家楮佐古晶章の場合(2010年05月10日)
- サンパウロからminha Vidaが届く(2010年06月18日)
- 罪と罰、視線が絡み合う先に、サウダージ(2010年09月06日)