路地


ある日のこと、見知らぬ幼い姉弟がとある路地を覗き込んでいるところに行き合った。思わず私も背後から一緒に覗き込んだ。彼らには一体何が見えていたのだろう。私には特に何も見えなかった。だが次の瞬間には私はその路地に吸い込まれていた。気付いたときには彼らの姿はなかった。路地があると、ついつい這入り込んでしまう癖がある。そして路地を歩いているときには、我を忘れ、そこがどこかも忘れ、時間も忘れている。