ポン・イタンキ





イタンキ浜海水浴場、室蘭市東町

イタンキ

 室蘭市内の海岸名。鷲別岬(ワシペッ・ノッ)から西側の、砂浜地帯の称。間にイタンキ岬、通称鯨岩があって、東側の浜がポロ(大)・イタンキ、西側がポン(小)・イタンキと呼ばれた。地名伝説は、あるアイヌが海中の岩を寄り鯨だと思い、その漂着を待っていたが、薪を使い果たし、所持するイタンキ(椀)も焼いたのだが遂に餓死したので、そこをイタンキと呼ぶのだという。ポロイタンキの沖にその伝説の小岩が今もある。だが実際は、鷲別岬とイタンキ岬に囲まれた海岸が椀のように円く見えるので、イタンキと呼ばれたのであろう。それがポロ・イタンキで、その西に並ぶ浜を並称してポン・イタンキと呼んだのであろう。

  山田秀三『北海道の地名』北海道新聞社、1984年、398頁




2006年に奄美大島から持ち帰った、笠利(かさり)や国直(くになお)の浜に打ち寄せられた宝貝(Cowry, Cypraea)の殻