水のない川






札内高原館(旧札内小中学校)。美味しい牛乳、乳製品、酪製品を製造、販売している。

札内原野 さつないげんや

 登別川中流の西側一帯は広い緩傾斜の土地で、札内原野と呼ばれていた。一面の火山灰地なので雨が降っても吸い込まれて水のない処であったが、近年は水道ができたという。
 札内はサッ・ナイ(sat-nai 乾いている・沢)の意。他地のサッナイやオ・サッ・ナイ(川尻・乾く・川)は、平常は水が流れていて乾期に乾く川なのであるが、この札内の川は平常から水がなく、ただ沢形だけがあり、雨が降るとそこを水が流れるだけである。
 そのサッナイの沢尻は、登別駅前平地の西端、登別川が平地に入って来る処にあって、サッナイ・プトゥ(sat-nai-putu 札内の・口)と呼ばれているが、平常はからからの乾いた沢である。

  山田秀三『北海道の地名』(北海道新聞社、1984年)389頁


なるほど、平常は乾いた「沢」は潜在的な水路であり、雨が降ったときに「川」になるわけだ。