言語哲学入門

受講生の皆さん、こんにちは。

まだ第一回目の授業が始まる前ですが、メイン・サイトの講義の扉に掲げた文章『死の迷宮』をちょっと補足しておきます。


ブランショ=丹生谷は、文学、総じて「書くこと」が「現実」を密かに殺すことであると断言します。彼らが言及していない大事な点は、言葉で殺さなければならないほど、現実というものは厄介であるということです。流動的であり、変幻自在である生の現実の力に、人間は堪えきれないからこそ、言葉によって現実を手なずけようとするのです。実際そうでしょう?下手な言葉で現実を大量無差別殺戮する政治家もいるでしょう?


しかし、そうではあっても、やはり「書くこと」が現実を密かに、潜在的に殺し続ける作業であることには変わりありません。そこで重要なことは、その気づかれにくい言葉による現実の殺戮をなるべく自覚するようにし、可能な限り美しく現実を殺す、葬る、供養する、マナーとスタイルを身につけることだと私は思います。


いかがですか?

というわけで、続きは講義の中で。

質問、議論等いつでも歓迎です。