『六ヶ所村ラプソディー』を観る

先ほど、江別市のドラマシアター「ども」から戻りました。5時半になんとか仕事を切り上げて車を飛ばし、6時半開演のドキュメンタリー映画六ヶ所村ラプソディー』の上映会と鎌仲ひとみ監督のトークにぎりぎり間に合ったのでした。映画は予想以上に素晴らしい、静かに深く胸に迫る内容で、鎌仲ひとみ監督のトークも真摯かつユーモアもある見事な内容でした。「ども」の劇場用スペースは立ち見、床座り見も出るほど老若男女で溢れていました。そして終了後には、おにぎりとけんちん汁と各種野菜の煮込みと新鮮な漬け物を囲んでのささやかな打ち上げ会が開催され、私は幸運にも鎌仲さんと隣り合わせの席で、彼女の聡明で朗らかな人柄と濃密な感情を肌で感じながら他愛ない言葉を交わしながら、短い時間でしたが出来る限り彼女の労をねぎらったのでした。北海道巡業(?)も終盤に差し掛かり、明日は小樽で、明後日の幌延(!)が最終だそうです。残念ながら札大の学生さんは一人も見かけませんでしたが、昨日の琴似「ちえりあ」の方に足を運んだ人はいたかもしれませんね。

映画『六ヶ所村ラプソディー』は大方の先入観とは全く違う立場と観点から出来上がった映画です。青森県六ヶ所村の核燃料再処理工場に対する反対運動のための単なるメッセージ映画ではなく、賛成派も反対派も中立派も、そこで生きる人たちすべての現実を公平にありのままに描きつつ、実は日本人のすべてが直接間接に加担している根深い負の現実を静かに浮かび上がらせることに成功した稀有なドキュメンタリーです。知らぬ間に私たちが世界規模の「死のサイクル」に巻き込まれてしまっている現実をどう受けとめ、何をどうすべきか、何ができるかを考えるための、この上ない教材だと私は確信しました。チャンスをつくって観ることを勧めます。

「仕方がない……そう言って考えることをあきらめたとき、人間は『誇り』を失う」(鎌仲ひとみ)

鎌仲さんのブログで北海道巡業中の記事を読むことができます。
http://ameblo.jp/rokkasho/
また、映画のオフィシャル・サイトの方には各種関連情報があります。
http://www.rokkasho-rhapsody.com/index2