ジョナス・メカスによる365日映画、55日目。
Day 55: Jonas Mekas
Saturday February. 24th, 2007
3 min. 25 sec.
At Pete's Candy
Store Pip sings
about his Imaginary
Friend with Slink
Moss orchestra.
ピート・キャンディ・ストアで
パイプ(Pip Chodorov, 1965-)が
スリンク・モス・オーケストラと
彼の作品『イマジナリー・フレンド』(1998)について歌う。
雨の夜、メカスとパイプはどこかへ向かう。ブルックリンのウィリアムズバーグにあるライブ・バー「ピート・キャンディ・ストア」の細長く狭い親密な空間で、三人組のこんな感じの曲を演奏するゴシック・ミニマリスト・バンドのスリンク・モス・オーケストラに飛び入りで頼りなげに歌うパイプ。カメラは彼を客席最後尾から見守るように捉える。
パイプはニューヨーク生まれの映像作家兼作曲家。ニューヨーク大学などで認知科学、パリ大学で映像記号論などを学んだ後、ニューヨークとパリの配給会社で働いた経歴を持つ。その後パリに拠点をおき、Re:Voir Videoと、実験映画のためだけのThe Film Galleryを創設した。Re:Voir Videoのサイトでは46日目にコンラッドとの関係で名前だけ喚び出しておいた飯村隆彦さん(1937)の作品も紹介されている。
ところで、19日目、盲目の写真家バフチャルのフィルムで通訳も兼ねて登場した素性不明の重要な人物はパイプだった。