情報倫理2007 第4回 孤島から群島へ:ロングテールとWeb 2.0

受講生の皆さん、今晩は。連休前の前回の講義では「グーグルの凄さ:検索とは思考の別名である」と題して、グーグルのどこがそんなに凄いのか、そしてグーグルといえば、「検索」と言われるが、未だにちゃんと理解されていないその検索の意義について解説しました。覚えていますか。忘れた人も覚えている人も、できれば、4月28日「私の検索論」にリンクされているエントリーを通読して「検索」の重大さを感じ取ってください。

ところで、今日、梅田望夫茂木健一郎著『フューチャリスト宣言』(ちくま新書asin:4480063617を手にしました。「フューチャリスト」、すなわち「未来」を受け身に待つのではなく積極的に創造しようとする者としての「宣言」書です。『ウェブ進化論』で種を蒔かれたヴィジョンが、より鮮明により力強く描き直されている印象を持ちました。特に、グーグルの凄さに関連して、グーグルはインターネットの「意味」を初めて発見したのだという梅田さんの鋭くシンプルな指摘(p.019)は非常に刺激的です。明日はその辺りを復習を兼ねて解説してから、先に進む予定です。

ちなみに、これは、私も日々のネット生活で常々実感していることですが、知識の習得に限っては、大学という教育機関の存在意義さえすでに危うくさせているのがグーグルが言わば火をつけた「ウェブ進化」の真相の一面でもあることが随所で説得的に語られています。