Tosh Berman presents Walles Berman's photographs:365Films by Jonas Mekas

ジョナス・メカスによる365日映画、6月、177日目。

"Sunday"はタイプミス

Day 177: Jonas Mekas
Tuesday June 26th, 2007
5 min. 05 sec.

At Spoonbill
bookshop
,
Williamsburg, B'klyn,
Tosh Berman
presents a book of
his father's
photographs ---

ブルックリンのウィリアムズバーグにある
スプーンビル書店で
トシュ・バーマンは
父親の写真集を
紹介する…

通り(Bedford Ave)の反対側からスプーンビル書店(正式名はSpoonbill & Sugartown Books)の正面を撮るメカス。通行人の内の一人が書店に吸い込まれるように中に消える。店内は人で混雑している。いきなりトシュ・バーマンと鉢合わす。元気?何してるんだい?

あちら(アメリカ)では、作家が書店とタイアップして新作本についてトークする、サイン会を兼ねたイベントが頻繁に行われる。ファンを中心とする聴衆との形式張らない質疑応答の時間も設けられる。トシュ・バーマンはあと二日か三日の予定でいくつかの企画をこなすらしい。

トシュ・バーマンの肩書きは、詩人、学者、独立出版者、そしてあのテイラー・ミードも出演したアンディ・ウォーオルの映画Tarzan And Jane Regained ... Sort Ofの共演者である。

トシュ・バーマンは立ったまま一枚の原稿を読み上げる。写真家だった父親のワレス・バーマン(Walles Berman)の写真集について、父親の思い出を織り交ぜながら、ユーモアに溢れた紹介をする。背後の壁には父親が彼を撮影したホームビデオの断片と父親の写真集からの写真をコラージュした映像が映し出されている。その写真集のしどけなく横たわった女性のカバー写真をめぐって、聴衆とのやりとりが少しだけある。

イベント終了後、メカスはその写真集を捲っている。一通り見終わって、その表紙の印刷された文字をゆっくりと追う。

Walles Berman, photographs
Rose Gallery, Santa Monica California

二年半前、サンタモニカを周遊したことを思い出した。現在、Rose Galleryの出版物のリストにはその写真集は入っていない。ところが、偶然、滞米中に購入した数少ない写真集の内の『Wim Wenders, Written in the West』がそのリストに入っているのを発見した。それは、ヴェンダースがカリフォルニアを中心に西部(West)の浦ぶれた町から町へと移動しながら撮った写真のアンソロジーで、「乾いた悲哀」が見事に定着された写真集だった。空気の乾きと甘い香りに激しい拒絶反応を起こしていた体を思い出した。