さて最終の今回は、前半に『論考』入門のフィナーレとして、私たちの世界把握の根幹に関わるウィトゲンシュタインの「対象」と「名」についての独創的な考えを簡単に紹介します。それは私たちがいつの間にか母国語を習得したプロセス、そして普段ほとんど意識することのない言語使用のからくりにも深く関係します。
第12回 対象とは何か
1内容と形式
2知る以前の了解
3事実は対象に解体され、命題は名から構成される
4論理形式
5性質や関係も対象である
6対象を捉えるには言語全体が必要である
後半は以前からアナウンスしてあった簡単な試験を行います。『入門!論理学』から現代の標準的な論理学に関する基礎知識を問う問題9問、そして『論考』からウィトゲンシュタインの「企画」に関する問題1問、計10問を出題します。最後にこの講義を受講して得たものについて書いてもらいます。