カタバミ、ゲンノショウコ、ムシトリナデシコ、オオウバユリ、そしてスズメバチの巣

札幌、曇り。蒸し暑い。

藻岩山。

道端に小さな黄色い花、春によく見た花、カタバミ(傍食, 片喰, 酢漿草, Oxalis corniculata)が目立つようになった。


昨日、ゲンノショウコミツバフウロ、イチゲフウロのうちどれか同定に至らなかったこの花は、葉の切れ込みは鋭くなく(イチゲフウロは鋭い)、茎には長い葉柄と開出毛が蜜に生える(ミツバフウロは下向きの伏毛がまばら)という特徴から、ゲンノショウコ(現証拠, Geranium thunbergii )と同定した。kinoさん(id:kino)からは一つの葉柄から花が複数出ているからイチゲフウロではないのではないかというご指摘をいただいたが、その通りであった。

原生林の奥の下草のなかに赤紫の花が目にとまる。肉眼ではよく見えない。ズーム撮影した。ピントがあっていない。調べた限りでは、ムシトリナデシコ(虫取撫子, Sweet William Catchfly, Silene armeriai)がもっともよく似ている。

原生林の下草のなかでは、立派な実をつけたオオウバユリ(大姥百合, Cardiocrinum cordatum var.glehnii.)が目立つ。

町内のあるお宅の軒下にスズメバチの巣を発見する。これはやばいでしょう。偶然そのお宅のご主人と会い、話をすることができた。ご主人は「区役所に相談したが、結局自分で駆除することになった。夜中に簡単にできる。今まで二度刺されたことがある。今度刺されたら死ぬかもしれない。そのカメラで撮影して、プリントしてくれないか。」という内容のことを、笑いながら飄々と語った。その経緯に腑に落ちないところはあったが、とにかく笑って済ますわけにはいかない、しかも突き抜けた死生観をお持ちの様子のその方の身の安全だけでは済まない問題でもあるので、もう一度区役所に相談して、専門家の駆除を依頼したほうがいいと助言した。

ところが、ちょっと気になって、自治体のスズメバチ対策はどうなっているのか調べてみたら、札幌市の場合、札幌市−生活衛生情報−ハチ駆除指定業者のご紹介によれば、ハチの巣の駆除は指定の専門駆除業者任せで、しかも駆除料金は馬鹿にならない。ちなみに、8月から10月までの通常料金が11,500円で、市からの補助は一件あたり一律2,500円である。それでなくとも、税源移譲に伴う住民税の増額で、ますます生活が苦しくなった高齢の年金生活者にとっては、ハチの巣の駆除に1万円も出していられないだろう。結果、自分でなんとか駆除するという選択肢を選ばざるを得ない。おそらく、その方もそうだったのではないかと推測する。しかしすでに二度刺されているというではないか、危険極まりない。ところで、スズメバチの危険性について、「スズメバチの巣=危険→駆除」という発想に、下手な刺激さえ与えなければハチは無闇に人を襲うことはないことを理由に「待った」をかける専門家もいるようだが*1、しかし、ハチが最も興奮するこの時期に、何が「刺激」になるかは予想がつかないのではないか。ましてや、素人が駆除作業をしようとしているのである。誰かが刺されて生命の危険にさらされてからでは、遅い。危機管理の面からも、専門家と行政サイドがタッグを組んでもっと市民、住民の安全を最優先した対策を講じる必要があると思う。明日、場合によっては、町内会レベルで対策を講じるよう働きかけるつもりである。ったく。