A performance of musical comedy:365Films by Jonas Mekas

ジョナス・メカスによる365日映画、8月21日、233日目。


Day 233: Jonas Mekas
Tuesday, August 21st, 2007
3 min. 32 sec.

an exercise in
musical comedy
with Auguste and
Erica--

オーグストとエリカ
と一緒に
ミュージカル・コメディ
の練習


壁に「MAGISTRATES' COURT(下級裁判所)」とある部屋で、古風な弦楽器を「でたらめに」つま弾くメカス、縦笛を吹くオーグスト(Auguste Varkalis)、立ったままドラムセットのシンバルを叩くエリカ。三人による即興セッション。

"musical comedy"。とりあえず「ミュージカル・コメディ」と置き換えたが、その意味は容易に分かるようで、実は難しい。音楽の喜劇?音楽的喜劇?おそらく、日本語の文字通りの「音・楽」なのだと推測する。音を楽しむ。なぜ、「コメディ」かと言えば、以前、悲劇と喜劇を根本的に分かつ対照的な視点について書いたように、

「喜劇とは悲劇プラス時間である」(“Comedy is tragedy plus time.”)、「人生は近くから見れば悲劇だが、遠くから見れば喜劇である」(“Life is a tragedy when seen in close-up, but a comedy in long-shot.”)などと言われるように、現実に密着しすぎる視点が悲劇の基調であり、現実を突き放す視点が喜劇の基調をなすということが正しいとすれば、音楽の喜劇とは、音楽する自分を含めた音楽の現実を可能なかぎり時間と距離を置いて見、演じるときに生まれるユーモア、本当の楽しさのことを意味するのだと思う。。それをメカスは「練習」と言っているが、こうして公開を前提にまさしく実演している。