ミナリカイドウ、日本第1号扇風機

札幌、快晴。暖かい。今朝の藻岩山(→ flickr photo: Mt. Moiwa, November 5th, 2007)。

夏に軒下の巨大なスズメバチの巣を単独で駆除した勇敢なKさん(8月22日8月21日)のお宅に、エゾノコリンゴかヒメリンゴかと思われる小さな赤い実を枝に鈴なりに沢山つけた樹があることに今朝初めて気づいた。運良く、ちょうどKさんが散歩から戻ってきた。遠くから見かけたことはあるが、話すのは夏の騒動以来のことだった。その樹の名前を訊ねると、「ほんとの名前は知らないが、わしゃ、ミナリカイドウと呼んどる。サンナシと呼ぶこともあるようだが」「ミナリカイドウ、ですか?」「ほら、枝に実がわーっと鈴なりに成ってるだろう。だからだ。わっはっは。」「ほー。たしかに、そうですね。凄いですね。見事だ。」Kさんは風太郎を構いながら、その樹はもともとその土地に生えていた、昔は町内に同じ樹が沢山あったと語り、最後に夏に私が撮って差し上げたスズメバチの巣の写真を居間に飾っていると感謝してくださった。

その場を立ち去って、しばらく行くと大声で私を呼び止めるKさんの声がする。「あの扇風機!」「え?」私と風太郎は再びKさん宅の方に戻った。Kさんは二階の出窓に外から見えるように飾ってある古風な扇風機を指差しながら説明し出した。「あれは明治時代に作られた日本第1号かそこらの扇風機なんだ。そのとなりの壷も古いもんだ。ああいうのが好きなんだよ。でも、ワシが死んだら捨てられてしまう。だれかもらってくれる人がいるといいんだが。」しばし骨董談義をしながら、私は吉田初三郎の鳥瞰図を見せていただいたアンティーカーさん(10月6日)のことを思い出していた。たしかアンティーカーさんのレストランには三菱重機が製作した同じような扇風機があった。Kさんは明らかに私をターゲットに語っていることが分かったが、私はたしかに古いものは大好きだが、残念ながらいただいたとしても置き場所がない。