ブルックナーの「ロマンチック」の冒頭部分だった

6月2日のエントリー「a monumental beautiful event by Richard Serra @MoMA:365Films by Jonas Mekas」で、メカスがBGMとして大胆に使っていたが、思い出せなかったシンフォニーについて、「横浜逍遥亭」(id:taknakayama)経由で訪ねてくださった音楽のプロ、くまさん(http://blog.livedoor.jp/unknownmelodies/)が、ブルックナーの「ロマンチック」の冒頭部分だと知らせてくださった。YouTubeでも聴けるという。
Bruckner - 4th symphony "Romantic"- 1st mvt. (Part 1)
確かに、間違いなくそうだった。三ヶ月前の私自身すっかり忘れていた記録がネット上でくまさんに拾われて、更新された。私の記憶というか経験も更新された。なんという僥倖。

メカスはリチャード・セラの巨大な記念碑的な作品に関して「ロマンチック」という評価をブルックナーのシンフォニーをBGMで流すことによって示していたのか。ロマン主義といえば、フェルナンド・ペソアが『不安の書』のなかで、「ロマンチシズムの根本的な弊害は、われわれの必要としているものと望んでいるものとの混同にある。(中略)まさしく手に入れる方法があるかのように、月をほしがることだ」(邦訳21頁)と鋭く批評していたことを思い出した。

(くまさん、メカスのフィルムはその日のうちなら、無料です。)