MUSEO DELLA TORTURA:365Films by Jonas Mekas

ジョナス・メカスによる365日映画、9月20日、263日目。


Day 263: Jonas Mekas
Thursday, September 20th, 2007
4:04 min.

all about the
miserable glory
of past empires
& churches

過去の帝国と
教会の
悲惨な栄光について

古代ローマの遺跡を巡りながら、周囲の観光客に気を遣いつつも、カメラを自分の顔に向けて、帝国の残虐さと遺跡の退屈さについて激しい口調で語るメカス。煉瓦と石の堆積に過ぎない遺跡に向けられたその「怒り」に近い言葉は、遺跡のさらに「下」に埋もれてしまった時代、文化を掘り起こそうとするかのようだ。「ローマ人の後にキリスト教徒がやって来て、生活はかなり改善された...」というキャプションが入った後、メカスと子供たち(ウナとセバスチャン)は拷問や処刑のための道具が陳列された博物館にいる。マテーラ(Matera)のサッシ地区(Sassi)にある拷問博物館(MUSEO DELLA TORTURA)のようだ。メカスはひとつひとつの道具をしっかりと記憶に留めようとするかのように撮影する。

「...彼女はそれについて考え抜いた...」というキャプションが入る。「彼女」は娘のウナを指し、「それ」は人間の残虐さを指すのだと思う。

叢に一匹の猫がいる。マキシのようにも見える。

***
ちなみに、南イタリアのマテーラのサッシを初めて知って驚いた。札幌の石山(旧名「穴の沢」)をすぐに連想した。