Nico, These days:365Films by Jonas Mekas

ジョナス・メカスによる365日映画、10月17日、290日目。


Day 290: Jonas Mekas
Wednesday, October 17th, 2007
4:17 min.

scenes from my
life---Williamsburg--
Brooklyn --
autumn -- Nico --

生活のなかから
いくつかの場面を。
ウィリアムズバーグ。
ブルックリン。
秋。
ニコ(1938-1988)

人気のない公園の横を通りかかったら、ベンチでアコーディオンを弾く男が目に入る。明るいようでちょっと物悲しい旋律の曲を練習している。歩いてきた歩道を振り返ると葉が大分落ちた街路樹が並び、歩道の両側に落ち葉が少し溜まっている。公園の地面に目をやるとやはり落ち葉がかなり積もっている。歩道に目を落としながら歩き始める。

バーについた。カウンターの上にはウィスキーの入ったグラスが置かれている。バーの入口の扉は開け放たれ、真っ白な外光が太く射し込んでいる。大きな窓からも。ニコNico, 1938-1988, 本名Christa Päffgen)の歌声が静かに流れ始める。アルバム『チェルシー・ガール』(Chelsea Girl, 1968年)に収められた"These days"だ。

I've been out walking
I don't do too much talking
These days, these days.
These days I seem to think a lot
About the things that I forgot to do
And all the times I had the chance to.
.....

YouTube Lyrics
「あの頃」を思い出しながら、ウィスキーをひとくち口に含み味わう。

信号待ちしていると、背後から照らす夕日が長い影を前方に作る。頭の影は反対側の歩道にある。次々と高速で横切る車のボディーにも影がきれいに映る。信号が「青」になり、冬のコートを着込んで買い物袋を持った人たちが両側を足早に追い越して行く。