(A Ghostpanel of Barrier Canyon Paintings)
南北アメリカ大陸やアフリカの先史時代の壁画や岩絵を見ていると、なぜかワクワクする。そんなもの、きっと非常に素朴で稚拙なもんだろうという先入観はものの見事に打ち砕かれ、並々ならぬ表出力の強さと表現力豊かな造形の数々に驚かされる。それだけでなく、それらを「絵」や「アート」と呼ぶこと自体が根本的な間違いを犯しているような気持ちになる。たしかに実物を一定のフレームで切り取った写真で見せられると、それらは「人間」や「動物」の風変わりな描写に見える。しかし、しばらく見ていると、それらは実はもっと大きな何かを描いていると感じられるようになる。彼らは私が当たり前だと思い込んでいる対象を描いているわけではない。私には見えない対象を描いている。さらに、そもそも「描いている」という表現すら適切ではないと感じるようになる。では彼らは一体何をしたのか。岩に線を刻み、色を塗ることによって彼らは何をしたのか。
ロック・アート参考サイト:
- Rock Art Pages by James Q. Jacobs
- Native American Rock Art of the Southwestern United States by Doak Heyser
- Southwestern United States American Indian Rock Art - Petroglyphs and Paintings by Doak Heyser
- Grand Canyon Polychrome Site Index by Mary Allen
- Rock Art of the Southwest: Photography of Anasazi Pictographs and Petroglyphs by Ray Rasmussen
- Rock Art Sites in the Libyan Desert by András Zboray