ジョナス・メカスによる365日映画、11月7日、311日目。
Day 311: Jonas Mekas
Wednesday, November 7th, 2007
3:10 min.
I cook, I dance,
I write haikus ---
料理して、踊って、
俳句を書く。
今日のビデオは物凄く「切れ」がいい。
ざっくりと切ったズッキーニとトマトの、はっきりとは見えないがたぶんニンニクをベースにした炒めもの。フライパンの中で野菜から出た水分がぐつぐつと煮立っている。
「絶叫」が続くニルヴァーナ(Nirvana, 1987-1994)のCD"From the Muddy Banks of the Wishkah"を大音量でかけて、ぐるぐる回転したり、激しく体を動かしたりする。カメラはメカスの体の動きに連動して動いているのはもちろん、メカスはさらにカメラの向きを激しく高速で変化させる。この場面は凄い。
紙にタイピングされ、手書きのサインの入った「不完全な俳句集」をカメラは上からゆっくりと行を追う。
IMPERFECT HAIKUS
Amazing how all
Spring street gingko
leaves
fell down over night.
On wet sidewalk
a lonely bicycle wheel
looked to a tree.
On the plane
watching a man asleep
shoes by his side
By the Seine.
A leaf fell down.
I heard it.
Walking by the Seine.
A thump of a falling chestnut
startled me.
What is this in my pocket?
Two chestnuts
from Paris.
The ashtray is full.
Glasses empty.
I keep writing.
Jonas
直訳(どなたか俳句の心得のある方、俳句風に翻訳していただきたく):
驚くべき事になんと
スプリング・ストリートの銀杏の葉が
一夜にしてすべて落ちた
濡れた舗道に
ぽつんと自転車の車輪が
一本の木に向いていた
飛行機で
眠るひとりの男
靴が揃えて横においてある
セーヌ川のほとり
一枚の木の葉が落ちるのを
聞いた
セーヌ川のほとりを歩いていたら
栗の実がゴツンと落ちて
驚いた
ポケットに入っていたこれは何?
栗の実ふたつ
パリから持ってきた
灰皿は一杯
グラスは空っぽ
書き続ける
ジョナス