Jonas Mekas Visual Arts Center:365Films by Jonas Mekas

ジョナス・メカスによる365日映画、11月10日、314日目。


Day 314: Jonas Mekas
Friday, November 10th, 2007
15 min.

At the openning of
Jonas Mekas Visual
Arts center
, Vilnius,
Lithuania, Ben Vautier
presents a Fluxus
music program --

リトアニアの首都ヴィリニュスの
ジョナス・メカス映像芸術センター
の開館式で
ベン・ヴォーチェ
フルクサスの音楽プログラムを
上演する。

すでに書いたように、リトアニアの首都ヴィリニュスに今年2月19日にジョナス・メカス映像芸術センター(the Jonas Mekas Visual Arts Center )が創設された。それは、メカスとマチューナス(George Maciunas)の作品のコレクションを展示するだけでなく、アルトゥーラス・ツォーカス前市長によれば、2009年までにヴィリニュスをヨーロッパの文化首都にする計画の第一段階であるという。

またその計画にはヨーロッパに新しい現代美術の拠点を創設する野心に燃えているらしいグッゲンハイム美術館ディレクターのトーマス・クレンスも深く関わっている。

今日のフィルムはそのジョナス・メカス映像芸術センター開館式における、ジョナス・メカスによる2本のテープカットの模様と、フルクサスの同志ベン・ヴォーチェによる開館を祝う楽しいフルクサス流「音楽プログラム」のパフォーマンスの模様。

「音楽」と言っても、楽器は一切使わない。身の回りにある物、自分の体を使って音を出し、その音に耳を傾けるという原初的な音体験への遡行パフォーマンス。三人の男が新聞を読み上げる声、ヤカンからボールに水を注ぐ音、新聞紙でマイクを包む音、リンゴに齧り付く音、会場を埋め尽くす参加者たちと一緒に一斉に上げる短かい音か声、鼻をかむ音等々。会場を仕切るボーチェも参加者たちもとても楽しそうだ。一応は「儀式」という制約のなかで、大人達がこうしていわば真剣に遊ぶ姿を見て育つ子供達は幸せだ。後半は大きな鏡を参加者の方に向けて、鏡に映る像を「ジョナス・メカスによる実験映画」などと洒落てみせたりもする。そして皆で一斉に「微笑む」プログラムで締めくくられる。

最後に、どこか見覚えがあるが思い出せないこの人物のメカスに対して祝辞を述べるビデオがちょっとだけ流れる。