Ben Vautier, his 60's Fluxus performances:365Films by Jonas Mekas

ジョナス・メカスによる365日映画、12月1日、335日目。


Day 335: Jonas Mekas
Saturday, December 1st, 2007
7:31 min.

Ben Vautier
comments on his
early Fluxus
performances
in Nice

ニースにおける
初期のフルクサス流パフォーマンスを
解説する
ベン・ヴォーチェ

"Ben Vautier at Anthology Film Archives October 1998"(「ベン・ヴォーチェ、アンソロジー・フィルム・アーカイブズにて、1998年10月」)という字幕が入る。1960年代のヴォーチェによる「ストリート・シアター」パフォーマンスを撮影した無声白黒映像を上映しながら、本人が解説を加える。以下、その11のパフォーマンスを簡単に紹介する。

(1)"toucher la voiture 1962"(「車に触れる」)
通りに駐車中の車の屋根やボディーやボンネットに体を這わせて全身で触れる。

(2)"CRISE ET DEPRESSION CHEZ BEN"(「ベンとともに危機と憂鬱を」)。
車が往来する通りにシートをすっぽり被ってうつ伏せになり、そのまま通りを匍匐前進して横断する。

(3)"curieux! de Ben"(「ベンの野次馬!」)
大勢の人が行き交い、憩う海辺の遊歩道に椅子とミニ黒板を持ち込む。「劇場 私を見て」とチョークで書いたミニ黒板を持ってじっと座ったままの姿勢を保つ。隠しカメラで集まってきた観客を撮影する。

(4)"2 inches de R. Watts"( 「ロバート・ ワッツ(R. Watts)の2インチ」)
二人の仲間が両端を持つ幅2インチ、長さ10mくらいのテープをカットする。

(5)"violin solo (2 sounds) for La Monte Young"(「ラ・モンテ・ヤングに捧げるヴァイオリン・ソロ(二つの音)」)
テーブルの上に置いたヴァイオリンの一弦をピックでスクラッチして二音だけ出し続ける。5分でめげたという。

(6)"MUSIC 11 de Ben"(「ベンの音楽11」)
呼気で膨らませた紙袋を両手で勢いよく挟んで割って音を出す。

(7)"homme couche 1963"(「横たわる人間 1963」)
石畳の舗道にチョークで長い線を引いて、終点で矢印にする。そこに脚の長い三脚を立て、その下に仰向けに横たわる。

(8)"attachage de Ben 1963"(「縛られたベン 1963」)
大きなこうもり傘をさして直立不動のままの全身に仲間が糸をぐるぐる巻いて行く。巻き終わったところで、そのままゆっくりと海に向かって歩いて行き、最後は海に入る。

(9)"Ben signe Agui gui sculpture vivante 1963"(「ヤドリギの生きた彫刻」とは?意味不明。)
男の額にサインする。

(10)"s'assoir au milieu de la rue.(1964)"(「通りの真ん中に座る」)
車が往来する車道の真ん中に椅子を置き、座る。

(11)"1965 3eme crise et depresion"(「1965年 三番目の危機と憂鬱」)
歩道に置かれた椅子に座った男が大判のスケッチブックの紙を一枚一枚次々とばらまいてゆく。その横を白いシーツをすっぽり被ったヴォーチェが匍匐前進しながら車道を横断して行く。

"...to be continued..."(「続く」)