小学生の頃から、ハンコが好きだった。芋ハンや消しゴムハン作りにも夢中になった。その延長か、版画も好きだった。最終的なカタチとなって現れる元の型を作る喜び。そして実際にその最終的なカタチが目の前に現れた瞬間の喜び。
祖父と父の遺品を整理し、その多くを処分しなければならなかったときに、どうしても捨てられなかったもののなかに印鑑があった。普段は引き出しの中にしまってある。ときどき出しては印鑑らしくない色のインクで押して遊ぶ。
活字そのものへの興味の一端がこの辺にもある。
そして、その興味はどこかで写真や映画に対する興味にもつながっているような気がする。