文房四宝


最近、活字地金彫刻師のことを調べていたせいか、この写真に一瞬、ハッとした。ドキッとした。鈍く輝くいびつな鉛板に文字を刻んでいるように見えた。これは最新号(2008年3月号)の「JAF Mate」に載っていた奈良県「錦光園(KINKOUEN)」での墨作りの様子を撮影した写真の一部を拝借したものである。いわゆる奈良墨は松煙墨(しょうえんぼく) がルーツで、錦光園では現在でもその製法を守っているという。

墨といえば、「文房四宝」、すなわちのひとつ。しかし、文人の文房趣味、賞玩の対象という文脈ではなく、インクの起源としての墨の歴史に興味を覚えた。かなり深い。