情報文化論 2008 第1回 インターネットは君に開拓されることを待っている

情報文化論の受講生の皆さん、こんにちは。

今日からいよいよ2008年度春学期の講義が始まります。楽しみですね。公式の情報はシラバス等で承知していることと思います。ここでは、非公式というわけではありませんが、本音の部分を少しだけ告白して、講義に賭ける私の思いの一端を記しておきたいと思います。

重たい宿題をいくつも持ち越して決して明るいとは言えない21世紀の幕が上がり、早8年目を迎えました。しかし、明るい兆しが全く無いわけではありません。楽観はできませんが、私はインターネットが皆さんの世代の人生にとって数少ない明るい大きな存在になるのではないかと予感しています。すでにその兆しはあちらこちらに見ることができます。具体例は講義の中で紹介します。

大げさに聞こえるかもしれませんが、私は21世紀において開拓されるべきは宇宙ではなく、インターネットであるとさえ感じています。インターネットこそフロンティアであり、何歳になっても、自分の人生を積極的に切り拓いて行こうとする者にとっては、インターネット開拓民という自覚を持つ必要があるのではないかと。それほど近年のインターネットの変化は大きい。しかもそれは私たちの内面にも深い変化を齎そうとしている*1。詳細は講義の中でお話します。

私自身は年齢から言って多くの限界を痛感していますが、それでも私なりにインターネット開拓民たるべく努力をしているつもりです。このブログもその一環です。私に比べて皆さんはまだまだ若い。これから自分の人生を切り拓いて行こうとしているところです。そんな皆さんこそが、インターネット開拓民としての自覚を持って活躍してもらいたいと願っています。

もちろん、現実の足場、立ち位置をしっかりと見つめながらの話ですが。この点についても講義でしつこく語る予定です。

そういうわけで、シラバスの項目に加えて、あるいは織り交ぜて、なぜインターネット開拓民なのか、について、近年インターネットで起こっている大きな変化、情報に関わる様々な動きを紹介するとともに、そこに人類の過去の文化的遺産がどう活かされ、また活かされていないか、またインターネットならではの新しい文化や経済が生まれるとしたら、それはどんなものか、などについても、色んな角度からお話していきたいと思っていますので、よろしく。

一応、今日のレジュメです。

情報文化論2008 第1回 オリエンテーション


担当者 三上勝生
 参考 「三上のブログ」 http://d.hatena.ne.jp/elmikamino/
 連絡先 mikami@sapporo-u.ac.jp

受講条件 筆記用具+ノート(メモ帳)

評価基準 出席率+レポート評価

講義概要 情報技術の最先端と主に「記憶および記録に関わる」人類の文化史全般を
     照らし合わせながら、現状を深く広く認識し、将来への展望をひらくための
     知的基礎体力を養う。

オリエンテーションの内容

 1情報技術の最先端

 2文化の情報的ルーツと歴史

 3立ち位置

 4理論武装

 5インターネット開拓民になれるか

*1:この「開拓(民)」という発想は尊敬するひとりのブロガーのアイデアに由来します。それについてはこちらで。http://d.hatena.ne.jp/elmikamino/20071104/1194149471