情報デザイン論2007 第7回 表現とは人生という情報のデザインである

昨年の今頃も、インターネットという未曾有の情報環境かつ道具を前にしての知的心構えや知的生産の方法について「記憶を支援する記録」という観点から色々と語っていました。

実は上の最後に登場するSmartCalendarをはじめとする美崎薫さんが開発した知的生産のための画期的な道具、最新の「電子文房具」については、すでにある意味で「過去のもの」になりつつあることを報告しなければなりません。それらの「進化形」が今週末東京(下記セミナー)でいよいよお披露目される予定です。残念ながら私はその現場に立ち会うことはできませんが、ブログを介して知り合った多くの人たちが立ち会うことになっているので、その報告を今から楽しみにしています。

道具は進化するんですね。いうまでもなく開発する人(の思想)も進化しているわけですが。

実は先週の講義が終わった後に主にインターネットを活用した新しいビジネスの開拓に携わっている皆さんの「部分的」先輩にあたる平岡拓夫さんが出張がてら訪ねてくれて、様々な「情報建築」を巡って色々と刺激的な会話をしました。その要約を先週のエントリーにも書きました。

その平岡さんが、私の質問(大学生に送るエール、メッセージは何?)に答える文章をわざわざ公開してくれました。かなり「挑発的な」メッセージですが、幻想としての「平均」や「普通」を突き抜ける発想という点で非常に参考になるはずですから、是非読んでください。

それから、もうひとつ、実はブログが縁で知り合ったある人が新しい会社を始めました。これについてもすでに紹介エントリーを書きました。そこから実際にブログとサイトを訪ねて、世の中に一人で立ち向かって、新しいビジネスを立ち上げる具体的な思考法に触れてください。

最後に、そのsimple Aで思い出したのですが、私がこのブログを本格的にやり始めて間もなくの頃、"The Goal is Pretty Simple"を旗印に非常に新鮮なスタンスでインターネットを舞台にして新しい形のビジネス=表現を実践しているデンマーク人のサイトに出会いました。トーマス・バクダールという30代前半の男です。彼の生き方、価値観の表明などを巡って書いたエントリーがあります。これも是非読んでください。

というわけで、今年も「伝えたいこと」の基本は昨年と変わりないのですが、重点は、世の中に向けてどのような自分をどのように表現して行ったらいいか、そのために世の中と自分をどう捉え、何をどうすることから始めたらいいか、その方法をより具体的かつ現実的に考えることにシフトしています。いうまでもなく、ここで言う「表現」とはビジネス(仕事)を含めて生きることの全体という「情報」を「デザインする」ことです。

今回は上の四人の方の「表現」を参考にしながら、私たちそれぞれの「表現」について考えます。

講義項目:

1スマートになるための道具:美崎薫
2成功を語る:平岡拓夫
3シンプルとは複雑の反意語ではない:simple A
4価値観を表明せよ:Thomas Baekdal