情報文化論2008 第2回 From Chaos to Order 世界は君に秩序づけられることを待っている

今回、講義を受けられなかった人は読んどいてね。先ずはシナリオ的メッセージから。

さて、「私」は混沌としているようにも見える世界のなかに改めて入って行こうとしている。世界はどうなっているのか、どこからどうやって世界の真相に近づくことができるのか。

その答えは「分類」。世界は色んな観点からすでに分類されている。図書館や大型書店に行って、すべての棚を見て回れば分かる筈。あるいは電話帳を覗いて見たりYahooに行ってみれば分かる筈。世界は先人たちによって大方分類されている。それは世界が一定の見方で秩序づけられている、意味づけられているということ。分類の各項目は世界への入口。ただし、入口でしかない。出口は不明。

思い起こせば、「私」は生まれてからこの方、様々に分類されてきて、今ここにいるとも言える。「私」のなかに世界の分類の網の目が折り重なっている、あるいは「私」自身がそのような折り重なりの存在だとも言える。

ところで、本当は「私」は誰のものでもないような世界の分類に基づいた情報が欲しいわけではない。「私」にはもっと切実な要求がある。どう生きればいいのか。生きるとはどういうことなのか。よりよく生きるために本当に必要な情報は何なのか。それを知りたい。どうしたらいいのか。

その答えは「私」自身が世界の新鮮な分類になること。「私」自身の中に知らずに知らずのうちに折り重なってきた世界の既存の分類すべてを分類し直してみせること。それはひとつの目標でもある。

しかし、焦ってはいけない。と同時にぼんやりしていてもいけない。先ずは謙虚に知ることから始めよう。先人たちは世界をどのように分類してきたのか。それを知ってからでも遅くはない。否、むしろそれを知っておくことが遠回りのようでいて実は近道なのだ。

というわけで、今回は前半は「分類」を糸口にして、従来とは大きく様変わりしたインターネットを活用した森羅万象を相手にするための「調べる」技術をめぐって、私のつたない体験を踏まえて、お話します。後半は生命の本質である「無秩序から秩序へ」という奇跡的プロセスの誕生、情報的起源を宇宙史と生命史という人類史の彼方に瞥見します。

前半
0やりたい仕事、極めたいテーマを決める
1自分で調べる
2人に尋ねる
3関心の網を広く投げる
4関心の的を絞り込む
5人とつながる

後半
1情報の定義
2生命の本質
3宇宙の意味

詳しい話を聞きたい人は、研究室に押し掛けて。