今日から言語哲学入門が始まった。受講生は260名。初回の今日は履修上の注意事項の確認と講義の輪郭を伝えるオリエンテーションを終えてから、急遽段取りした特別講演会を開催した。
澤隆志さん「映像アートとは何か:イメージフォーラム・フェスティバル2008」
澤隆志さんはイメージフォーラムという会社の新進気鋭のプログラム・ディレクターである。倉重哲二さんはアニメーション作家で、今年から北海道教育大学岩見沢校で教え始めた先生でもある。北海道の冬をすごーく心配している。お二人はお友達。
イメージフォーラムという会社は何をしている会社かというと、映像アートの上映、配給、ワークショップ等を開催している会社である。富山加津江さんが代表を務める。詳しくはこちらの公式ウェブサイトで。
澤さんも説明に苦労していた「映像アート」という言葉にピンと来ない人が少なくないかもしれないが、一言でいえば、非プロダクション、非商業主義のフィルム、ビデオ等の映像作品のこと。実験映画、個人映画、独立映画、芸術映画等と呼ばれることもある。一般の劇場で公開されることはまずない。ジョナス・メカスと言えば、ピンと来る人がいるかも知れない。
そして、10月8日から12日まで北海道立美術館で開催される「イメージフォーラム・フェスティバル2008」では世界中から集められた映像アート全77作品を17のプログラムを通して堪能することができる。倉重さんの作品も上映される。詳細はこちらの公式ウェブサイトで。
澤さんはフェスティバルの準備のために今週はじめに札幌入りし、各所でアピール活動を行う忙しい中、友人の倉重さんと一緒に訪ねてくれた。せっかくだから、学生たちにも是非話しをという私からの急な申し出を快諾してくれて急遽特別講演会が実現することになった。お二人とはまったくの初対面であったが、すぐに打ち解け、話題は尽きなかった。二週間ほど前に澤さんから初めて連絡をいただいた時に、どうして私に? と疑問だったが、このブログで昨年一年間続けた「ジョナス・メカスの365日映画」紹介が大きな縁になったことを後で知って嬉しかった。澤さんと倉重さんとの出会いもまた、ブログがもたらした僥倖である。
言語哲学入門の講義に突然珍客が乱入し、いきなり映像アートやアニメーションの深い話が始まり、それに三上先生がやたらとツッコミを入れ、映像と言語の関係、アーティストとディレクターの関係、好きなことを貫く生き方、大学時代にやっとくべきことみたいな話にまで及んだのは、学生たちにとっては随分といい刺激になったようだった。最後にお二人のお話に関する感想や質問を書いて提出してもらったが、長いものが非常に多かった。終了後も澤さんと倉重さんに質問する学生がいた。