妻と娘が宙を飛んだ

一昨日の深夜、家族が寝静まった後、一階の居間で古い日本映画を観ていた時、階段を降りてくる足音が聞こえたと思った次の瞬間、軽い叫び声と共に、黒い影が宙を横切って飛んで来て居間に落下した。妻だった。その瞬間には一体何が起こったのか分からなかった。とにかく、妻がうめきながら目の前の床に横たわっている。背中と左肩甲骨あたりを打撲したようだ。しばらく呼吸ができないほどの激痛を訴えていた。慌てて新聞で夜間救急病院の所在を確かめているうちに、次第に痛みは和らぎ、呼吸もできるようになった。午前2時頃だっただろうか。明朝一番で近所の整形外科に行くことにして、打撲した箇所にシップを貼って、寝た。

翌朝、病院で検査、診察してもらった結果、骨折はなく、肋骨の軽いヒビと肩の打撲ですんだことが判明した。その病院の院長は大和田先生、副院長が早川先生のコンビだったので、思わず受けた(超ローカルな話題ですみません)。なぜ笑っているのかを妻に説明したら、彼女も一瞬受けていたが、笑うと背中に痛みが走るので、つまらないことは言わないように、とたしなめられた。

その日、つまり昨日、東京では長女から階段から落ちたという連絡が入った。急いでいて階段を駆け下りていると、ヒールのせいで前方につんのめりそうになり、上半身を必死に後傾したら、下半身が半ば宙に浮き、ちょうど正座状態で落下し、そのまま階段を滑り降りたが、再び必死に今度は右脚を立てて踏ん張ったら、スキーのジャンプのように宙を飛び、踊り場のロッカーに頭から突っ込みそうになるも、その寸前に右腕を前に出し、頭を打たずに済んだ、という。いまひとつ正確にイメージが湧かない箇所があるが、とにかくかなり派手に尋常ではない体勢で階段から落ちたわけだ。ところが、長いブーツが脛から膝にかけての部分を保護してくれ、また持ち前の筋力と運動神経によって危険な体勢に陥るのを避けられたお陰で、かすり傷程度で済んだのだった。

その長女も今日帰省し、二人は痛みもないようで、ぴんぴんしている。

そういうわけで、誰しもよからぬ予測をするであろう。そう、このブログの更新が止まることがあれば、それは、私が階段から転げ落ちたときかもしれない。