セイヨウオオマルハナバチ


自宅玄関前のアスファルトの上をどうしたのかセイヨウオオマルハナバチ(西洋大丸花蜂, Buff-Tailed bumblebee, Bombus terrestris)がよたよたと歩いていた。ブラック・ボディに鮮やかなオレンジとイエローとホワイトの太いラインの入った引き締まった美しいデザイン、だが、ずんぐりとした大きな体型のわりには翅が極端に小さい。その全体的な不調和がなんとも魅力的だ。

セイヨウオオマルハナバチは、同じような体型のクマバチとともに、航空力学的には、飛べるはずのない形なのに飛べるのはなぜか、と長年その飛行方法は大きな謎であった。しかし現在では、なんと、レイノルズ数を計算に入れることで飛行法は証明されているという。*1 そうか、彼等は人知が追いつく遥か以前から、非常に高度な流体力学に基づいたボディ・デザインを実現していたわけだ。

レイノルズ数


ところで、彼/彼女は1990年代初めにヨーロッパから北海道に強制移住させられた祖先の末裔であるが、その仲間はすでにこの土地に根を下ろし在来種の存続をおびやかすほど勢力範囲を広げていると言われる。そのため、平成18年(2006)には外来生物法に基づく「特定外来生物」に指定された。今や、セイヨウオオマルハナバチ・バスターズに狙われる身である。人間の都合によって数奇な運命をたどることになったわけだ。詳細はこちらで。

セイヨウオオマルハナバチのページ(北海道環境生活部環境局自然環境課特定生物グループ)


それはそうと、最近国内でもようやくCCD(蜂群崩壊症候群)被害がマスコミ報道でも比較的大きく取り上げられるようになったが、その原因に関しては、案の定、緩い言及しか見られない。


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