サフラン公園の桜









今朝は陽射しは暖かかっただ風が冷たく、爽やかだった。だいぶ前を行く佐々木さんがひょいと振り返ると私に気づき手を振ってくれた。私も手を振り返した。佐々木さんは私が追いつくまで立ち止まって待っていてくれた。もう一時間は歩いているという。毎日二時間くらいは歩く。それも朝夕二回。町内で知らない顔はないという。逆に顔を覚えられてしまい、何やってんだかーと思われているに違いないと言って笑った。葬式以来、塚本さんの奥さんには会っていない。どうしているんだか。畑を耕した跡はあるんだが。それには私も気づいていた。頃合を見計らって一度挨拶に伺おうと思っている。ちょうど若葉で薄らと緑ががったが白樺が聳える故塚本さんの畑の前に通りかかった。去年の秋にあそこの切り株の椅子に腰掛けるお二人を撮ったんだなあ。二人で白樺を見上げた。田中光花園の毎日言葉が変わる小さな黒板が気に入っている。「今日は久し振りにお天気に恵まれましたね、、」ビニールハウスに隣接した畑では田中さんが肥料をまいていた。何を植えるんですか? グラジオラスだよ。「グラジオラス」という言葉に、一瞬、アレン・セイの実在の日系移民二世の女性 Alice Sumida の生涯をこの上なく美しく描いた『Music for Alice』(2004)を思い出した。ある時期グラジオラスを一所懸命育てたアリスさんとご主人の苦労話を思い出した。田中さんはグラジオラスはお盆むけだと語ってくれた。向こうは? あっちはアスターとか菊だな。それもお盆用さ。今年は寒いからどうなるかな。そうか、田中さんの中ではもうお盆に向けての時間がスタートしているわけだ。サフラン公園で中野さんと話す。珍しく入口そばの東屋の椅子に腰掛けてた。いつもは奥まったところにある東屋にいるのに、変だな。毎日写真撮って歩いているのかい? 中野さんはもう犬は飼わないのかいと言いたそうだった。ようやく花も咲き始めて、被写体が増えました。ここのハクモクレンも開きかけてますね。そうだね。奥の桜も咲き始めたよ。そうですか。じゃ、ちょっと見てきます。奥まったところにある東屋の前では保育園児達が遊んでいた。なるほど。それで中野さんは落ち着かなかったのか。桜は五分咲きといったところだった。


関連エントリー