懐中電灯:MINI MAGLITE 2AA CAMO



散歩の途中でリサイクルショップに立ち寄った。自然界の精妙な複雑さに遊ぶ快楽には到底及ばないが、リサイクルショップに集まったそれなりに雑多な人工物の間を巡り、目にとまったものを手に取って見るのも楽しい。ひび割れた陶器が目にとまる。手に取って見る。どこにも文字は刻まれていない。なぜか悲しく辛い感情が湧いて来たので、買うのは控えた。小さな立方体の硝子の器が目にとまり、迷わず買った。百円也。迷彩色の懐中電灯が目にとまった。手に取ってみた。精巧な作りと適度な重さが気に入った。迷った末に買った。百円也。小さな硝子の器と迷彩色の懐中電灯をバックパックに入れて、豊平川の河岸の散歩を続けた。河岸にはまだ白、黄、赤、紫の花が咲いている。川面にそれらの花の色を映してみたくなり、すこしずつ摘んで小さな硝子の器に入れながら歩いた。ミュンヘン大橋を過ぎたあたりで、川縁に下りて、川面を背景にして、小さな硝子の器に窮屈に身を寄せ合う花を撮った。帰宅後、迷った末に買った迷彩色の懐中電灯について調べたら、カリフォルニアのマグ・インストゥルメント社のミニ・マグライト(MINI MAGLITE 2AA CAMO)であることが判った。「CAMO」はcamouflage(迷彩)の短縮形である。真新しい単三電池が二本入っていたが、電池が消耗しないように、通電用のスプリングがお尻(マイナス極)に接しないように逆さまに入っていた。それをひっくり返してみると、ちゃんと点灯した。これは夜の散歩のためのいい道具になる。


参照