夜の公園のアイスキャンドル


ローソク、ライター、懐中電灯を持って、夜の散歩に出る。風はないが、小雨が降る。歩道は凍ってツルツル。たんぽぽ公園に着いたのはちょうど午後8時。伊藤さん親子の姿はない。しかし、サクランボの枝の配置が変わり、アイスキャンドルを囲むようにいい案配に挿されていた。娘さんか息子さんの配慮か、、。もう、来た後だったか。会えなかったのはちょっと残念、でも、会えないのもまた一興。早速、ロウソクに火を灯す準備にかかる。雪を少し盛って、ロウソクを挿した。ライターで火をつける。ついた。氷のキャンドルがロウソクの火に輝く。綺麗だ。宝石のようだ。ロウソクの炎も生命のように頼りなげ、儚げで、美しい。来てよかった。汚れた心が一瞬だけでも浄められた気がした。伊藤さん(id:w210)曰く、「子供と一緒に、『忘冬会』でもしてみます。ついでに今日はユリウス・カエサルの2055回忌らしいのでそれも一緒に..」。伊藤さんに倣って、私も「忘冬会」をする。私は、今日3月15日が命日の写真家、安井仲治(やすいなかじ, 1903年12月15日−1942年3月15日)の霊を弔う。そして、そもそも、この土地で暮らしていることを、伊藤さん親子にも出会えたことを、この土地の精霊たちに感謝する。その間およそ6、7分。カメラを持つ手がかじかむ。帰宅後、「伊藤 娘」さんからコメントが届いた。案の定、私よりも先にロウソクに火を灯したという。「ロウソクともしました!とても、キレイでした!」ほんとに、キレイだった!