ジョナス・メカスによる365日映画、22日目。
Day 22: Jonas Mekas
Monday Jan. 22th, 2007 4 min. 50 sec.
I am in a bad, low
mood trying to find
some uplifting music
on radio and failing.
気分が悪く
落ち込んでいる中
高揚させてくれる音楽を
ラジオで見つけようとするも
失敗する。
メカスは突然襲ってくる孤独感に苛まれる自分の姿を曝け出して、カメラにむかって、呼びかけている、と言ってみる。「友よ、音楽がやって来ない。私の音楽が来ない」。涙を流しながら、カメラに向かって、訴え続けるメカス。しかし、メカスは「孤独」とか「苛まれる」とか言いはしない。「音楽が来ない」としか言わない。そこに彼の人生観、世界観、そして倫理といってもいい矜持がある。
「音楽がやって来ない」と言いながら涙さえ流すメカスの辞書には「孤独」という言葉も「苛まれる」という言葉もない。そんな言葉には託しきれない人生の地平を彼は生きてきた。そんな人生にとって肝心なのは「音楽」があるかないか。それは一体どんな音楽のことか。各自が見つけなくてはならない。