灰色とメランコリー

中山さん(id:taknakayama)が、小林秀雄の文体とモーツァルトの音楽の本質をにらみながら、心の灰色状態ともいうべきメランコリーについて、含蓄のある文章をかいておられる。
2007/01/22 (月)[音楽]曇天
http://d.hatena.ne.jp/taknakayama/20070122/p1

二十代の頃までは、灰色の空を見ても屈託を感じることはなかった。暗い空模様はむしろ自分の気持ちを癒す方向に作用することが多かったように思う。当時、まれに欧州に出かけることがあると、厚みのある重たい曇天が、ひたすら冷たい石の街に禍々しい翳りを宿すのを、むしろメランコリックな気分を解放する機会であるかのように感じていたように思う。

人の心のメランコリーを解放する、空のメランコリーが曇天、灰色の空ということか。改めて、「灰色」と「メランコリー」の関係を考えさせられた。そして以前、ゲルハルト・リヒターの灰色の絵画をめぐって書いたことを思い出した。五ヶ月前だった。すっかり忘れかけていた。あの頃は、晴れの日が多かったように記憶しているが、気分はメランコリックだった。

2006-09-15 [美術]リヒターの灰色の絵
http://d.hatena.ne.jp/elmikamino/20060915/1158316376