ジョナス・メカスによる365日映画、48日目。
Day 48: Jonas Mekas
Saturday February. 17th, 2007
4 min.
I have a good
time on the set
of Scorsese's
The Departed --
映画『ディパーテッド』の撮影所のとあるセットの部屋の中。小道具の玩具と戯れるメカス。一転して、カメラは離れた場所から撮影現場の様子を捉える。部屋のカーテンに火がつけられ、燃え上がり、男がその部屋から立ち去るところで「カット」の声が響く。スタッフの一人が消化器を持って駆けつける。数回の噴射で焔は収まるが、大量の煙が高い天井に昇って行く。いつになく、「距離」を強く感じさせる。
『ディパーテッド』("Departed"とは「死者」または「死に値する者」の意)は現在日本でロード・ショー中。監督スコセッシ(1942-)は主演のディカプリオ*1と先月来日した。
スコセッシといえば『タクシードライバー』(1976)を思い出す。ヒッチコック監督の映画『サイコ』の作曲でも有名なベルナルド・ハーマン( Bernard Herrmann, 1911-75)によるメイン・タイトルが非常に印象的だった。
YouTube - Taxi Driver Trailer
http://www.youtube.com/watch?v=bqLyTdcMLhc
北海道の小樽市にお住まいの鈴木創さんによればhttp://www3.ocn.ne.jp/~zip2000/martin-scorsese.htm、
ウディ・アレンの映画で、こんなセリフがありました。
「コメディーとは、悲劇プラス時間である」*2
時間がたてば悲劇こそがコメディーになるというわけです。さすがの名言じゃないでしょうか。
もしかすると、スコセッシ作品はすべてコメディーなのかも?
どんな悲劇も喜劇に思える時が来る、と思い切るのはなかなか難しいと思う。でもおそらくスコセッシはそう思い切らなければ、生き抜けない世界を生きてきた人のような気がする。そこがメカスとつながる最も深いところなのかもしれない。
ちなみに、日本で実際にタクシードライバーになるためにはこれくらいは知らないといけないようだ。また、日本のタクシードライバー(乗務員)の現実はこうだそうだ。
*1:その見かけとは裏腹(?)に思想を抱いた稀有な俳優の一人である。浩瀚なエコサイトも公開している。http://www.leonardodicaprio.org/
*2:チャップリンの喜劇観参照。