映画と列車La Ciotat, 1895:365Films by Jonas Mekas

ジョナス・メカスによる365日映画、58日目。


Day 58: Jonas Mekas


Tuesday February. 27th, 2007
4 min. 20 sec.

I visit La Ciotat
where brothers
Lumiere filmed
their first movie,
The trains are
still running.

リュミエール兄弟
最初の映画を撮った町
ラ・シオタを訪ねたら、
まだ列車が走っていた。

普通、映画史の最初のページを飾るリュミエール兄弟。その最初の映画の代表作「列車の到着」が撮影されたプロバンスのラ・シオタを訪ねたメカスは、映画の歴史とか起源とかいう問題にではなく、映画と列車の関係それ自体に深い興味を寄せていることが窺える。100年以上まえの映画の中と同じように、今も列車が走っていることにメカスは心動かされる。駅に到着する列車。プラットフォームに降りて来る人、列車に乗り込む人。車掌の出発の合図で扉が閉まる。列車は駅を出て行く。メカスのカメラはそのありふれた一連の出来事をまるで奇跡的な出来事のように撮る。そして、次の列車の到着を待つ駅に流れ始めるなんともいえない時間。

列車が線路の上をガタゴトガタゴト音を出して走る。メカスは手動のボレックスのカメラをカタコトカタコト回す。枕木の上を走る二本のレールのイメージがフィルムのイメージと重なる。映画を撮ること、観ることは心のなかに列車を走らせることなのかもしれない。Institut Lumiere(リュミエール協会)のVidéosのページでは1895年の10本のフィルムを見ることができる。