入門演習2007 第1回 職業選択のための準備

入門演習受講生の皆さん、今晩は。今日初回の演習はどうでしたか。今日やったことを、私の観点から簡単に振り返っておきます。意見や感想などがあったら、遠慮せず、コメントしてくださいね。

***

今日の午前中は、初々しい新入生11人とワクワクしながら入門演習を行った。型通りのことを済ませてから、簡単に自己紹介をして終わりにするつもりだったが、若者にちょっかいを出すのが好きな私はついつい色々と突っ込み、もちろんこの上なくソフトにジェントルな、を入れているうちに、90分があっという間に経ってしまった。最後には、まだ具体的には考えていないだろうなと予想していた「将来の展望」について、就きたい職業をその場で瞬時に考えてもらって言葉にしてもらった。色んな答えがあった。その中に、「とにかく金を稼ぎたい」というのがあった。どれくらい?月収50万円以上。何に使うの?……、使いたい時に使えるように貯めるんです。そうか。でもね、「金を稼ぐ」を目的にしちゃうと、他のこと、時間や仕事の中身とやりがいが犠牲になっちゃう危険があるよ。例えば、実際には色んな要因があるから一概には言えないんだけど、超乱暴に単純化して言うと、

A 月収50万円以上稼げるけど、超ハードで休みも取れず、やりがいも感じられないような仕事。
B 月収15万円だけど、時間的な束縛は短くてしかもやりがいのある仕事。

という二つの選択肢しかないとして、どっちを選ぶ?(一同目付が変わる。)これはあくまで一種の比喩みたいな例だから、その点割り引いて考えてみてほしいんだけど、言いたいことは分かるよね。つまり、お金だけいくら沢山稼いでも、稼ぐことだけで人生終わっちゃうみたいな選択肢と、お金自体は生活に困らない程度に稼げて、仕事はそれなりにやりがいがあって、しかも自由な時間も確保できるような選択肢と、どちらを選んだほうが、幸せな人生を送れるか、ということね。どう?もちろん、色んな点で一概には何とも言えない面がある質問なんだけど、考えるべきポイントは分かるよね。

可能性としては楽しくラクに月収50万円以上稼げるとか、辛くてハードだけど月収10万円に満たないとかいう場合とか、人生をいくつかに区切って、30歳まではAで、それ以降はBでとか、さらには極貧覚悟の生き甲斐だけを追求するとか、色んなケースが考えられるけど、そういうケースはちょっと棚に上げて、今は究極のポイントを考えてほしいんだ。要するに、人生観、価値観の問題だよね。何に価値を置くか。どんな優先順位で人生という時間を過ごすかということね。皆は3年後には、現実に職業選択の立場に立たされるわけです。いろいろと判断に迷ったりするでしょう。そのときに無闇に悩まないためには、今から自分のこれからの人生について、お金と時間との関係も含めて自分にとってどう生きることが「幸福」か、という観点から、あれこれ、考えておくことは、とても大切な準備になるはずです。

すでにかなり具体的に希望の職業を答えられた人は、その職業につくための具体的な準備を進めることはもちろんですが、その仕事に就いた後で、より充実した人生を送るには、何を身につけておいたらよいかを考えるようにしてくださいね。抽象的なイメージしか答えられなかった人は、現実にある具体的な職業をひとつでも多く知っていきながら、これ、というものを見つける努力をしてください。

さて、来週再会したときには、一週間をどう過ごしたか、どんな体験をし、何を得たか、などについて皆さん一人一人に報告してもらいます。あっ、大事なことを言い忘れていました。三上ゼミの「モットー」は「一週間で自分を変える」です。来週には今日の自分とは明らかによい意味でどこか違う、そんな姿勢を見せてくれることを期待しています。もちろん、かくいう私も皆さんに一週間で変わった自分を見せないとフェアではありませんから、それは見せられるようにします。でも、このブログを見た人は、私が毎週、毎日どうやってごくごくささやかではあるのですが、新しい自分に生まれ変わっているか、がなんとなく感じられるのではないかと期待しています。

***

それでは、来週会えるのを楽しみにしています。