ジョナス・メカスによる365日映画、4月、109日目。
Day 109: Jonas Mekas
Thursday April. 19th, 2007
5 min. 33 sec.
With Peter Kubelka
I have a Bloody Mary
at the Rainbow
Room
ペーター・クーベルカと
レインボー・ルームで
私はブラッディ・メアリー
を飲む
ロックフェラー・センターのGEビルディング70階にあるニューヨーク市を360度見渡せる展望フロアーで、「酔っちゃったよ」ととても愉快そうなクーベルカ。空はまだ明るい、。メカスはマンハッタンの高層ビル群をフレームに収めながら、右手を差しだして、掌の上に高層ビルを「のせて」、「マンハッタンのすべてをあなたに贈る」と戯(おど)けてみせる。同じように、「ブルックリンをあなたに、エンパイア・ステート・ビルディングをあなたに」と。景色は夕景に移りゆく。
65階にあるレストラン、レインボー・ルームで、窓の外は夕闇。テーブルの上のカクテルのマンハッタンがアップになる。ドイツ語を話す非常に素朴な感じのクーベルカの奥さんらしき女性はマンハッタンを一口飲んで、「ちょっと強いわ」とか何とか言いながら朗らかに笑う。どれどれと口にしたクーベルカは神妙な表情で首を傾げるが、すぐに何か言って笑う。親密な愛情溢れた時間が流れているのが伝わってくる。クーベルカの前には半分以上空いたブラッディ・メアリーがある。メカスの前にはまだ口をつけていないブラッディ・メアリーがある。「私の美しいブラッディ・メアリー!」とメカス。窓の外はすでに宝石を散りばめたような美しい夜景。
終始、曲名を思い出せないシンフォニック・ジャズが大胆に劇的に流れるのが印象的である。
メカスと並んで、1950年代初頭から世界の前衛映画の先頭を走り続けて来たペーター・クーベルカ*1は、今回ですでに5回目の登場である。
2007-03-09「ヴィレンドルフのヴィーナス」
2007-03-06「チベット・ゴング」
2007-01-26「メール・プラー風オムレツ」
2007-01-15「葉巻」
*1:クーベルカのコンパクトな伝記(英語)はここhttp://www.kortfilmfestivalen.no/arkiv/english/articles/99_PeterKub.htmlで読める。