ジョナス・メカスによる365日映画、6月、167日目。
Day 167: Jonas Mekas
Saturday June 16th, 2007
2 min. 52 sec.
just a little
poem -- for a
change ---
ほんとうにちっちゃな
詩をひとつ…気分
転換ために…
華やかさの陰の悲哀を表現するような、おそらくガーシュインの曲にのって、次のような手書きの言葉が大写しになる。揺れ動いている。手に持った紙をカメラのレンズのすぐ前にかざしているようだ。
drop of
rain
on your
lips
しばらくして、メカスはこれに一文字"a"を書き足して、再び大写しにする。
a
drop of
rain
on your
lips
音楽が止み、メカスの声が聴こえ始める。次のように紙に書かれたことばが声に少し遅れて写る。
I saw
I saw
a
drop of
rain
on your
lip
……
I saw
I saw
a
drop of
rain
on your
lip
……
I wanted
I wanted
to be
that
rainI wanted
to be
that rainI wanted
to be
that rain
さすがに時々照れ笑いが洩れる。若い頃に書いた詩なのかもしれないが、でも、80歳を過ぎて、こんな愛の詩を世界に向かって朗読できることは素晴らしい。成就しなかった無念な思いの形を記録すること、記憶に留めておくことが愛の本質だとメカスは言いたいのかもしれない。
あなたの唇
の雨の一滴
に
私はなりたかった