blue sky, green sea, and yellow submarine:365Films by Jonas Mekas

ジョナス・メカスによる365日映画、8月、216日目。


Day 216: Jonas Mekas
Saturday August 4th, 2007
6 min. 44 sec.

Beatles reconsidered...
Anastasia in a
dazzling
opening performance !--
more to come ---

ビートルズ再考・・・
アナスタシアによる
目映いばかりの
オープニング・パフォーマンス!
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アンソロジーの照明を落としたオフィスで、メカスに向かって、「カメラ向けて。オーケー。準備いい?」と言って、二人の少女(姉妹のようだ。以下姉妹ということで書き進める。姉が10歳、妹が7歳くらいに見える。)が、ビートルズA Hard Day's Night(1964)をゆっくりしたテンポでコーラスし始める。

It's been a hard day's night
And I've been working like a dog.
It's been a hard day's night,
I should be sleeping like a log.
But when I get home to you,
I find the things that you do
Will make me feel alright.
・・・

ワンコーラスを終え、姉らしき子(この子がおそらくアナスタシア。以下、アナスタシアと呼ぶことにする。)がカメラに両手をかざして、「歌は終り!」と言う。知人の娘たちか、それともメカスの孫たちか、不明。孫だとすれば、ウナの娘たちだ。「サンキュー・ヴェリ・マッチ!」と本当にそんな発音でメカス。

メカスのフィルムに登場する「役者たち」は友人や家族が中心である。大人たちや自分の子どもたちはメカスが向けるカメラが、「存在しない」かのように振る舞う術を心得ているが、今日の幼い姉妹は、そんな約束事(conventions)などお構いなしで、メカス「と」カメラの間に割って入って、メカスをやや混乱させているところが、とても面白い。メカスもそれを楽しんでいることが伝わってくる。これは、「映画」というもののある意味での根本的ないかがわしさを敢えて露呈させる試みであるとも「読める」。

その幼い姉妹は、特にアナスタシアは「演出家兼カメラマン」のメカスのコントロールを逸脱し続けながら、「目映いばかりのオープニング・パフォーマンス(dazzling opening performance )」を繰り広げる。妹は脇役を巧くこなしている。

アナスタシアはカメラに向かって、おどけて挨拶したり、ビートルズに関する大人顔負けの知識を元気溌剌に、身ぶり手振りを交えて、表情豊かに巧みに披露する。妹は合いの手を入れる。最後にYellow Submarine(1968)を歌い出すアナスタシアと妹。部屋にいた大人たちもコーラスに加わる。

・・・
We all live in a yellow submarine,
Yellow submarine, yellow submarine,
We all live in a yellow submarine,
Yellow submarine, yellow submarine,

As we live a life of ease
Every one of us has all we need
Sky of blue and sea of green
In our yellow submarine

We all live in a yellow submarine,
Yellow submarine, yellow submarine,
We all live in a yellow submarine,
Yellow submarine, yellow submarine.
・・・

空のブルーと海のグリーンとサブマリーンのイエローが鮮やかに目に浮かぶコーラスだった。