meeting jumbon in Paris, again:365Films by Jonas Mekas

ジョナス・メカスによる365日映画、8月26日、238日目。


Day : Jonas Mekas
unday, August 26th, 2007
7 min. 13 sec.

plane landing
in Paris, meeting
friends, jambon

パリに着陸する飛行機、
友達に会う、
ジャンボン(にも)

飛行中の機内から窓越しに朝焼けが見える。雲海も。女性の早口のフランス語のアナウンスが流れている。飛行機特有のストレスの溜まるノイズが聴こえる。左主翼の一部とエンジンが見える。雲海が途切れて、海が見える。ズームする。あれ、海だと思ったら、陸地だった。林と草原の中を川が蛇行しているのが見える。不規則な形の白い物体が散在している。未同定。ここまでは窓側の席からの撮影だ。

通路側の席から二つの窓をフレームに収めて外を撮影する。先ほどとは違う女性の早口のフランス語のアナウンスが流れている。機長らしき男の声の短いアナウンス。距離と逆光のせいで窓越しには雲海がぼんやりとしか見えない。メカスは敢えて逆光補正などはしない。いつものことだ。二つの窓はほとんど真っ白になり、何かの両眼のように見えてくる。窓側の席に座る人物の体の一部が見えるが、正体は不明。カメラが大きく動いて、一瞬、メカスがよく着ているジャケットの一部から隣に座る人物の膝から下の裸の両脚が写る。再び窓の外を向いたカメラには、着陸が近いことを告げる地上の家々や、空港の管制塔も視界に入る。高度千メートルは切っている。滑走路が視界に入る。無事着陸し、逆噴射音が聞こえる。最初の女性の声でお定まりのアナウンスがまずフランス語で、それから英語で流れる。メカスは自分の顔にカメラを向けてから隣の人物にカメラを向ける。息子のセバスチャンが窓の外を凝視している。

場面は替わり、小さな円形テーブルを三つ寄せ合わせた席で、「パリで、再び」と白ワインで乾杯するメカス、ベン・ノースオーバー、セバスチャンの三人。6月27日「"the world is inside of nothing" @Hôtel La Louisiane」で、メカスが"my bar"と呼んだ、バー・ドゥ・マルシェ(Bar du Marche)のようだ。パリの市街地図でこれから向かう場所と現在位置を確認するベン。3月8日「生活の音楽 Cafe de Paris」でも登場した、ジャンボンこと、細身のバケットのハムサンドに齧り付くセバスチャンとベン。「パリの現実……」と言いながら、メカスは手を付けず、皿の上のジャンボンをしばらく見つめる。まるで久しぶりに再会した友のように。