中山さんの目を借りて北海道を見る

『横浜逍遥亭』の中山さんが、私のつたない案内で一緒に巡った土地の素晴らしい写真とレポートを公開している。案内役冥利に尽きる新鮮で驚くべき内容である。私は自分が住む土地のイメージを何度も描き直した。

三日間行動を共にした中山さんは、私が案内した場所で、私が目を離した隙に、必ずと言っていいほど数百メートル離れた場所にまで颯爽と歩いていった。歩行の人だった。一枚の写真のために、物理的な距離を厭わず移動し続け、物理的な時間を越えて私には見えない被写体と交渉し続けていた。目の人だった。弛まず歩き、弛まず見る人。そんな中山さんの目に映った北海道は私の知らない土地のようにさえ見える。刺激的だ。しばらくは、中山さんの「目」を借りて自分が住む土地を見ることになるだろう。