本当(Reality)について

私たちは日々何かを探している。突き詰めて言えば、「本当」(reality)を探している。それは引いてみたときには相対的な価値にすぎないかもしれないが、当人にとっては絶対的な価値である。各人がそれぞれにとっての「本当」を探している。それは実際には多種多様な姿形をとる。

欲望に際限がないのは、本来「本当」という意味を探しているはずが、個々の対象の所有に落ち込んでしまうからである。「本当」とは対象ではなく、人生全体、社会全般、世界全体にこの私が関わる意味である。